FALCON LAKE

ファルコン・レイク

8.25 FRI 渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー
ムビチケ
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SUNDAE
INTRODUCTION
  • 恋が、なにかも知らなかった──14歳を迎える少年と16歳の少女の〈忘れられないひと夏〉
    もうすぐ14歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日間。メランコリックで大人びた雰囲気の3つ年上のルイーズの娘・クロエに惹かれていくバスティアンは、彼女を振り向かせるため幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが──。
    14歳を迎える少年と16歳の少女。子どもに戻ることも大人になりきることもできない2人が初めて感じる、特別な絆と感情。刻々と変化する、人生で1度しか訪れない “トワイライトゾーン” を16mmフィルムならではの親密な映像美で映し出す。眩い光と夕闇の不穏さが溶け合う湖。 2人だけの秘密──。誰もが大切にしまいたくなるような、あまりに切なくて残酷で美しいひと夏が描かれる。
  • 想像し得ない結末に、世界が心を奪われた全く新しい青春映画の傑作誕生。俳優にして監督、新鋭シャルロット・ル・ボンの長編デビュー作
    監督を務めるのは、『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13/ミシェル・ゴンドリー監督)、『イヴ・サンローラン』(14/ジャリル・レスペール監督)など数々の話題作へ出演、フランスを拠点に俳優としても活躍する新鋭シャルロット・ル・ボン。初の長編監督作ながら脚本も手掛けた本作は、第75回カンヌ国際映画祭での上映を皮切りに、第58回シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ (新人監督賞)など世界中の映画祭で受賞を重ね、大きな注目を集める。ル・ボン監督の独創的な世界観と映像美は高く評価され、第76回カンヌ国際映画祭では短編部門の審査員に抜擢された。
    原作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝き、日本でも人気を博すバンド・デシネ (フランス語圏のマンガ)の名手バスティアン・ヴィヴェスによる「年上のひと」(リイド社刊)。原作者も映像化はできないと考えていた繊細な物語が、見事に映画化された。主人公バスティアン役には、撮影時14歳の新星ジョゼフ・アンジェル。ヒロインのクロエ役に約400人の中から選ばれたサラ・モンプチ。さらに、グザヴィエ・ドラン作品の常連モニア・ショクリも主人公の母親役として出演。瑞々しい10代の逸材と実力派俳優陣が圧倒の存在感で物語へと惹き込む。原作をベースにしながらも、映画オリジナルで紡がれる想像し得ない衝撃のラスト。観る者の心を掴んで離さない、全く新しい青春映画が誕生した。
INTRODUCTION
恋が、なにかも知らなかった──14歳を迎える少年と16歳の少女の〈忘れられないひと夏〉
もうすぐ14歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日間。メランコリックで大人びた雰囲気の3つ年上のルイーズの娘・クロエに惹かれていくバスティアンは、彼女を振り向かせるため幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが──。
14歳を迎える少年と16歳の少女。子どもに戻ることも大人になりきることもできない2人が初めて感じる、特別な絆と感情。刻々と変化する、人生で1度しか訪れない “トワイライトゾーン” を16mmフィルムならではの親密な映像美で映し出す。眩い光と夕闇の不穏さが溶け合う湖。 2人だけの秘密──。誰もが大切にしまいたくなるような、あまりに切なくて残酷で美しいひと夏が描かれる。
想像し得ない結末に、世界が心を奪われた全く新しい青春映画の傑作誕生。俳優にして監督、新鋭シャルロット・ル・ボンの長編デビュー作
監督を務めるのは、『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13/ミシェル・ゴンドリー監督)、『イヴ・サンローラン』(14/ジャリル・レスペール監督)など数々の話題作へ出演、フランスを拠点に俳優としても活躍する新鋭シャルロット・ル・ボン。初の長編監督作ながら脚本も手掛けた本作は、第75回カンヌ国際映画祭での上映を皮切りに、第58回シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ (新人監督賞)など世界中の映画祭で受賞を重ね、大きな注目を集める。ル・ボン監督の独創的な世界観と映像美は高く評価され、第76回カンヌ国際映画祭では短編部門の審査員に抜擢された。
原作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝き、日本でも人気を博すバンド・デシネ (フランス語圏のマンガ)の名手バスティアン・ヴィヴェスによる「年上のひと」(リイド社刊)。原作者も映像化はできないと考えていた繊細な物語が、見事に映画化された。主人公バスティアン役には、撮影時14歳の新星ジョゼフ・アンジェル。ヒロインのクロエ役に約400人の中から選ばれたサラ・モンプチ。さらに、グザヴィエ・ドラン作品の常連モニア・ショクリも主人公の母親役として出演。瑞々しい10代の逸材と実力派俳優陣が圧倒の存在感で物語へと惹き込む。原作をベースにしながらも、映画オリジナルで紡がれる想像し得ない衝撃のラスト。観る者の心を掴んで離さない、全く新しい青春映画が誕生した。
STORY
ある夏の日。もうすぐ14歳になるバスティアンは、両親と歳の離れた弟と一緒にフランスからカナダ・ケベックにある湖畔の避暑地へとやってくる。
2年ぶりに訪れる湖と森に囲まれたコテージ。母の友人ルイーズと娘のクロエと共に、この場所で数日間を一緒に過ごす。
久しぶりに再会したクロエは16歳になっていて、以前よりも大人びた雰囲気だ。桟橋に寝転んでいたクロエは服を脱ぎ捨てると、ひとり湖に飛び込む。
「湖の幽霊が怖い?」
泳ぎたがらないバスティアンをおどかすようにクロエが話す。
大人の目を盗んで飲むワイン、2人で出かけた夜のパーティー。
自分の知らない世界を歩む3つ年上のクロエに惹かれていくバスティアンは、帰りが迫るある夜、彼女を追って湖のほとりへ向かうが——。
DIRECTOR
CHARLOTTE LE BON
シャルロット・ル・ボン/監督・脚本
1986年9月4日生まれ、カナダ出身の俳優・映画監督。フランスを拠点に活動し、俳優として第40回セザール賞助演女優賞にノミネートされた『イヴ・サンローラン』(14/ジャリル・レスペール監督)をはじめ、『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13/ミシェル・ゴンドリー監督)、『ザ・ウォーク』(15/ロバート・ゼメキス監督)、『フレッシュ』(22/ミミ・ケイヴ監督)など多数の作品に出演。映画監督としては、脚本も手掛けた短編『ジュディット・ホテル』(18)でデビュー。初の長編監督作品となる『ファルコン・レイク』(22)は、第75回カンヌ国際映画祭を皮切りに数々の映画祭で上映され、第58回シカゴ国際映画祭をはじめ国内外の映画祭で新人監督賞を受賞するなど高い評価を受ける。第76回カンヌ国際映画祭では、新鋭監督ながら短編部門の審査員に抜擢された。また、絵画や写真などを手掛けるアーティストとしても活躍の場を広げている。
FILMOGRAPHY
2018:『ジュディット・ホテル』(短編)
2020:「MOTTRON - Walk Away」(ミュージックビデオ)
2022:『ファルコン・レイク』
ORIGINALAUTHOR
「年上のひと」
著:バスティアン・ヴィヴェス
訳:原正人/リイド社刊
BASTIEN VIVÈS
バスティアン・ヴィヴェス/原作
1984年2月11日生まれ、フランス出身。2007年にバンド・デシネ(フランス語圏のマンガ)作家デビュー。「塩素の味」(08)で、第36回アングレーム国際漫画祭新人賞を受賞、邦訳版が第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞にも輝くなど高い評価を得る。
その後、バレリーナの半生を描いた「ポリーナ」(11)を発表。同作はACBD批評グランプリをはじめとした数々の賞を受賞し、『ポリーナ、私を踊る』(16/ヴァレリー・ミュラー、アンジュラン・プレルジョカージュ監督)として映画化された。『ファルコン・レイク』のベースとなった「Une sœur(原題)」(17)は、「ポリーナ」以来、6年ぶりに出版した単独の長編作品。同作は、ケベック書店賞コミック部門グランプリに輝き、2019年には邦訳版「年上のひと」(訳:原正人/リイド社刊)が発売され、日本でも話題となった。
CAST
JOSEPH ENGEL
ジョゼフ・アンジェル as バスティアン
フランス出身。これまでの出演作に、俳優のルイ・ガレルが監督を務め、第66回サンセバスチャン国際映画祭で脚本賞を受賞した『パリの恋人たち』(18)、同監督作「La croisade(原題)」(21)などがある。初の主演作となる『ファルコン・レイク』では、第11回カナダ・スクリーン・アワード最優秀主演賞にノミネートされるなど、高い評価を受ける。
SARA MONTPETIT
サラ・モンプチ as クロエ
カナダ出身。作家ルイ・エモンによる「白き処女地」をセバスティアン・ピロット監督が映画化した「Maria Chapdelaine(原題)」(21)で、デビュー作にしてヒロインのマリア・シャプドレーヌ役に抜擢され、第24回アイリス賞 Revelation of the Year(新人賞)にも輝いた。『ファルコン・レイク』のほか「Chien Blanc(原題)」(22/アナイス・バルボ=ラヴァレット監督)などに出演。
MONIA CHOKRI
モニア・ショクリ as ヴィオレット
カナダ出身。これまで『胸騒ぎの恋人』(10)、『わたしはロランス』(12)、『グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル』(16)などグザヴィエ・ドラン監督作に多数出演。一方、映画監督として「A Brother's Love(英題)」(19)、「Babysitter(原題)」(22)、第76回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された「Simple comme Sylvain(原題)」(23)を手掛けるなど精力的に活動している。
COMMENT
よその家族の旅にまざったみたいに親密な映像。
自然界の光と音、暗闇と静寂がすばらしい!
微妙な年齢の子供たちにだけ見える世界の姿があることを、
ひさしぶりに思いだした。
江國香織小説家
形作られる前の若き2人が、
寄り添う姿が痛々しくもとても良かった。
2度と無いであろう、かつての自分の心情を思い出し、
胸がギュっと熱くなりました。
MEGUMI女優/プロデューサー
避暑地の湖畔、自然の豊かさと漂う不穏の中で
子どもと大人の間にいる2人の
「閉じ込めてしまいたい夏」を見た気がしました。
たなかみさきイラストレーター
『ファルコン・レイク』は、
じきに14歳になる控えめな少年バスティアンと、
奔放で大人びた16歳の少女クロエによる
ひと夏の恋の物語だ。
そう聞くと爽やかで甘酸っぱい
王道ボーイ・ミーツ・ガールを想像しがちだが、
それはきっと裏切られる。
だれかに話したくてたまらない。
ラスト5分で、決して忘れられない夏になる。
蒼井ブルー文筆家/写真家
特別な関係だからこそ生まれるコミュニケーション。
地面から数センチ浮いているような気持ちや、
目をこらしても何ひとつ見えない真っ暗な心の距離。
まだなにものでもない若さを持て余しながら過ごす
ヴァケーションが焼き付いた青春映画。
川辺素ミュージシャン/ミツメ
君がいたからこの夏を乗り越えることができた。
そう思える人がいたことこそが、
かけがえのない奇跡だ。
中川龍太郎映画監督
ひと夏の青年の淡い恋、などではなく
生と死
ここに自分の身体や心が在るということは
一体どういうことなのだろうと
見えない湖のなか彷徨うような夏だった
枝優花映画監督/写真家
しゃぼん玉のように繊細であまりに脆い、
思春期のひと夏。
倉持明日香タレント
大人でもなく、子どもでもなく。
そのあわいを揺蕩う少年少女の放つ光は、危うく、儚く、美しく。
繊細な彼らの心の動きが、16mm のフィルムで仄暗くノスタルジックに切り取られる。
おとなになるって、なんて残酷なんだろう。
こんな不穏で不安で眩しい夏を、忘れられるわけがない。
宇垣美里フリーアナウンサー/女優
そんな感受性では消化させてくれないというホラー体験をさせてもらった。
これこそが、この少年たちの夏の追体験なのかもしれません。
こんな映画体験初めてでした。
美しい夏で終わらせてくれよ。
青柳文子俳優/モデル
美しく甘酸っぱい、青春映画......そう思っていたら、
たちまち鳥肌が止まらなくなるような衝撃のラストが待ち受けていた。
開いた口も塞がらないまま見届けながら、
いままでの2人の会話を反芻して、
すべてがそのラストまでの伏線だったことを思い知る。
多かれ少なかれ、
人は誰でも子どもから大人へ成長するときには痛みを伴うもの。
自分にとってはどんなものだったか。
今一度、思い出してみたくなった。
瀬戸あゆみモデル/Dear Sisterhoodディレクター
大人になってからの3歳差ってあまり気にしたことがなかったけれど、
子供の頃の3歳差は遥かに大人で遠い存在だったことを思い出した。
近づきたくても埋められない成長の壁、
初めて味わう感情のフルコース、思春期特有の後先考えない無防備さ。
理想や胸キュンとは程遠い青春の複雑骨折、
こんなん一生忘れられない夏になっちゃうって…。
酒村ゆっけ、酒テロクリエイター
思春期に特有の、恋や性や、未知のものへの憧れ、戸惑い。
そして誰にでも訪れる、少し背伸びした季節との別れ。
その最後の瞬間が、これほどまで儚く、切なく描かれるなんて。
16mmフィルム、スタンダードサイズの映像は、
この物語をただの甘美な青春劇にはしない。
門間雄介ライター/編集者
湖畔の水面を撫でる風が、暗闇に浮かび上がるシーツの白さが、
思春期特有の仄暗い官能を運んでくる。
少年と少女の間に生まれる、
恋とも友情とも言えない絆の行く末が鮮烈だ。
山崎まどかコラムニスト
白黒の乾いた筆致で描かれた原作の世界が、
ロケーションを変え、まるで別の感触の作品に生まれ変わった。
16ミリフィルム撮影のニュアンスに富んだ緊張感ある映像が、
少年と少女の孤独と連帯を鮮やかに浮き立たせる。
原正人フランス語翻訳家
「幽霊は水辺に出やすい」と俗にいうが、
これは避暑地の湖畔を舞台にした、
恋と夏のゴーストに魅入られた少年と少女の物語。
ピクチャレスクなシーンがジグソーパズルのようにすべてはまったラストシーン、
背中に冷たい汗が一筋ツーッと走った。
青野賢一文筆家/選曲家
湖畔のコテージ、年上の人、背伸びして飲むワイン。
バカンス映画らしいモチーフが揃っていても、どこか手触りが違う。
この映画には大人たちがこれまで見ないふりをしてきたものが映り込んでいるのだ。
わたしたちはきっと、子ども期を経て大人になることを受け入れるまでの猶予期間、
危うかったあの頃の幻影をいつまでも追い続けている。
それに気がついたとき、背筋は冷え鼻の奥にツーンと刺激が走った。
深入りしてはいけないような、初めての感覚だった。
奥浜レイラ映画/音楽パーソナリティ
※順不同・敬称略