この度解禁される本ポスターは、母親が自宅に設営した撮影スポットでカメラを見据える姉妹を捉えたもの。お揃いの、どこか窮屈で子供じみたワンピースでじっと前だけを見つめる2人。<絡み合って、ほどけない>と添えられたキャッチコピーを体現するかのように、その姿はどこか奇妙でいびつな絆を感じさせるビジュアルとなっております。解禁されるシーン写真は4点。家でも学校でも常に<一心同体>の2人、セプテンバーとジュライの近すぎる距離感を捉えたものとなっております。
10か月年上の姉・セプテンバーに支配されるように育った妹・ジュライ。アリアン・ラベド監督は本作について「世界と向き合いながら成長しようともがく10代の少女たちの変容を描いた映画」と語る。そして、「私たちはジュライの目、感覚、体験を通して、彼女の世界へと入り込んでいく」と言及しながら「なぜジュライはどこか不安定なのか。どうしてセプテンバーは、時にサディスティックなまでに妹を支配しようとするのか」―こうした姉妹の関係を描きながら、作品の中には「<生まれか育ちか>というテーマが自然と浮かび上がってくる」とも語る。
「観客の皆さんには、登場人物それぞれの“内なる論理”に寄り添い、目の前で展開していく物語の流れを追ってほしい」と呼びかけるラベド監督。さらに、物語の舞台が、高校や街、家庭といった身近な現実の空間から、心情を映し出すような内省的な世界――セトルハウス、自然、そして海へと移り変わっていくことに触れ、「見慣れたものを違う視点から見たときに生じる“緊張感”を探ろうとしてきた」とも明かす。「私は、自然に見えるものと、超自然的に見えるもののあいだにある“境界線”に興味を持っている」といラベド監督は「映画では往々にして隠されがちなもの――たとえば生理用ナプキンやトイレ掃除、バーでの支払い、自分が夢を見ているのか疑う瞬間、セックスの途中で他のことを考える瞬間――そうした“見せないことが前提”とされているものも、あえて描きたいと思った」と、その思いを語っている。
2025年9月5日(金) 渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
監督・脚本:アリアン・ラベド
出演:ミア・サリア、パスカル・カン、ラキー・タクラー
原作:デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社刊)
配給・宣伝:SUNDAE
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